こんにちは、代表の鈴木です。
当社は、相談支援事業所としては比較的大きく展開してきた事業所です。
「そんなに大きくしなくてもいいのでは?」
「たくさんの利用者さんがいると手厚い支援ができないでは?」
相談支援事業所の運営について、ときどきそんな言葉をいただきます。
障害福祉の世界では、「規模拡大」という言葉に対して少し警戒感があるのかもしれません。
「利用者一人ひとりを大切にしたい」
「地域に根差した支援をしたい」
そうした思いは私も同じです。
だからこそ、なのですが、私は、規模拡大は支援の質と対立するものではなく、むしろ支援の質を守るための手段だと考えています。
相談支援の仕事は、面談をして計画を作るだけではありません。
・本人の想いを聴くこと
・家族の不安を受け止めること
・関係機関と連携すること
・担当者会議を開くこと
・サービス利用後の変化を確認すること
こうした支援には「時間」が必要です。
具体的に相談支援の報酬をもとに数字で考えてみます。
相談支援は事業所の規模や体制の取り方によって基本的な報酬の算定の仕方が変わります。
規模を大きくしていくと、1件あたり受領する金額を22,000円ほどの報酬を受けることができます。これで仮に人件費の割合を60%だとすると、1件あたり約13,200円を「人件費として」使うことができます。
時給換算すると、「約8.5時間」です。
規模がそこまで大きくない状態だと、収入は15,000円ほどになることもあります。
この場合、同じ計算をすると時給換算は6時間ほどになります。
もちろんいろんな事情も左右しますが、大きくすると身動きがとれなくなる・丁寧にできない、ということではないことが伝わると思います。
また、規模の問題は収入だけではありません。
事業所が大きくないと、どうしても職員一人ひとりにかかる負担が大きくなります。
・新人職員を育てる時間が取れない
・困難ケースを相談する相手がいない
・休みを取りにくい
・管理業務が現場を圧迫する
結果として、頑張る人ほど疲弊してしまいます。
相談支援は、「人が資源」です。
だからこそ、相談員が安心して働き続けられる環境を作ることは、利用者支援そのものにつながります。
規模が大きくなることで、人材育成に投資ができます。
事務業務を分担することもできます。
相談員同士が気軽に相談できる環境も作れます。
利用者さんから見れば直接見えない部分かもしれません。
しかし、その見えない部分こそが支援の質を支える土台なのです。
利益を出すことも同じことです。
福祉の業界では「利益を出すこと」に後ろめたさを感じる風潮がまだあります。
しかし、利益は目的ではなく手段です。
利益があるから人を育てられる、新しい挑戦ができる、支援に余白を持たせることができる。
支援の質を高めたいのであれば、支援者の善意だけに頼ってはいけないと思うのです。
良い人が頑張ることで成り立つ組織ではなく、良い支援が続く仕組みを作ることが大切です。
私は規模拡大そのものを目指しているわけではありません。
本当に目指しているのは、ご利用者の皆様により良い支援を届け続けることです。
そして、相談員が無理を前提に働かなくても良い環境を作ることです。
規模拡大や利益を得ることはそのための手段です。
支援の質を高めることと、経営を安定させることは決して矛盾しません。
むしろ、これからの相談支援には、その両方を実現する視点が必要なのではないでしょうか。
