みなさんこんにちは。代表の鈴木です。
今回は「多職種連携」についてです。
「多職種連携」という言葉は、
福祉や医療の現場では当たり前のように使われるようになってきました。
・相談支援専門員
・福祉サービス事業所
・医療関係者
・行政
・教育機関
・家族
など支援に関わる人たちが、それぞれの役割を持ち、
連携することの重要性は理解が深まってきているとも感じられます。
しかし、実際の現場では「連携している“つもり”」「情報共有はしている」
という状態にとどまり、本当の意味での多職種連携ができているかいうと
「?」となることも少なくありません。
多職種連携は、単に異なる職種が集まることでも、会議を開くことでもありません。
本当に大切なのは、
「それぞれの立場や専門性の違いを前提に、同じ人を見ているかどうか」です。
それぞれの専門性から同じ人をみるからこそ、
みている部分のズレ(違い)が生まれるということもあります。
例えば、医療職は「症状」を、福祉職は「生活」を、行政は「制度」、
といったように同じ人をみていても、見る尺度が異なることはよくあります。
どれも間違っていませんし、必要な視点です。
ただ、それぞれの専門性の高さ故に「自分が正しい」「相手はわかっていない」
という気持ちが無意識に生まれてしまうこともあります。
このとき、多職種連携はともすれば「対立」や「分断」に変わってしまいます。
多職種連携でまず必要なのは、意見をまとめることではなく、
「前提を揃えること」だと思っています。
・その人は、どんな暮らしを望んでいるのか
・何を大切にして生きてきたのか(生きていきたいのか)
など、この「前提」が揃っていないまま、
話し合っても議論は噛み合いません。
相談支援の役割の一つは、
この前提を丁寧に言葉にし、場に置くことだと感じています。
そして、この連携を支えるのは、機関同士、役割同士の日常の関係性だと思います。
うまく連携がとれているな、という例を振り返ると
特別な会議や仕組みよりも、
お互いの日常の関係性が土台になっていることが多いと感じます。
普段から顔が見える関係性があると、意見の違いがあっても「対話」が成立します。
(もちろんそれを形成するために会議の持ち方など仕組み作りが重要なこともありますが)
多職種連携は、コミュニケーション能力や調整力といった
「技術」として語られることもありますが、根底にあるのはとてもシンプルで、
相手の専門性や立場を尊重する姿勢だと思います。
もし、連携がうまくいかないと感じることがあるのだとすれば、
自分の姿勢を一度問い直してみることが必要なのかもしれません。
多職種連携に「完成形」はありません。
人も状況も変わり続けます。
「今も、この連携は機能しているか」を問い直し続けることが大切だと思っています。
連携は、一度つくって終わりではなく、何度も振り返るもの。
その地道な繰り返しが、結果として、
よりよい支援・連携につながっていくのではないでしょうか。
