みなさんこんにちは。
代表の鈴木です。
さて、今回のテーマは相談支援における「フォーマル」と「インフォーマル」についてです。
相談支援事業をやっている当事業所では、主にヘルパー利用や就労継続B型や就労継続A型など(作業所という表現で聞き馴染んでいらっしゃる方も多いかもしれません。)といった「福祉サービス」を、困りごとの解決やステップアップなど、生活の変化に合わせてご提案をすることが多いのですが、その他公的な制度も含め、これらを「フォーマル」といっています。
対して「インフォーマル」とは、福祉サービスや制度には規定されていない仕組みを指します。
例えば、
・地域にあるボランティアサークル
・ご近所の人
・地域のお店
...
警察などもインフォーマルに含めることができます。
相談をいただく方のお悩みや希望は、必ずしも制度で全て事足りるわけではありません。時には地域のいろいろな資源を活用し、連携していくことが必要である、ということです。
具体的には、どのように連携しているのか、実際の過去の例をご紹介します。
≪例1≫
一人で生活している知的障害の方
●フォーマル
ヘルパーによる訪問を週何度か利用
●インフォーマル
ヘルパー訪問日以外の日や時間は、ご近所の方に気にかけていただき、何か変わった様子があれば相談支援事業所に連絡をもらうようにする。
≪例2≫
日常は福祉サービス等の利用で日常生活を送っているが、休みの日は家にいることがほとんどの方
●フォーマル
・ヘルパー利用
・事業所への通所
●インフォーマル
・学生ボランティアが主催するイベントに参加し、他者との交流を持てるようにする
また、これらの方は、制度利用のみでも生活を送ることはできるかもしれません。ただ、より手厚く、より充実した、ということを考えた時、制度利用だけでは難しい部分もあります。
インフォーマルな支援はこうした場合に選択されることもあります。
昨今制度はかなり充実してきて、利用の選択の幅も広がってきました。ですが、相談員が制度を組み合わせるだけのプランニングをしてしまいでもあります。それは時に「制度の枠」に利用者さんの生活を押し込めることにもつながります。
そして、逆に「インフォーマル」が大事だからと言って、ご本人の支援の大部分をインフォーマルでサポートしようというのもこれまた地域や周りの方への負担を考えると難しいでしょう。
「生活基盤を整える」という部分より、「よりよい生活の実現」において「インフォーマル」はより力を発揮してもらいやすいように感じます。
大切なのは、「どうしていきたいか」「何に困っているのか」をしっかり把握し、適切な支援につなげること。そしてそれを様々な選択肢の中から選んでいくこと。
しっかりとお話を聞いて、利用者の方にとってのより良い選択になるように、一緒に考えていきたいと思っています。